さあ、ここからどこへとんでゆこうか……。

2007年3月8日木曜日

読書

2冊ほど読了。

まず、「他人を見下す若者たち」(速水敏彦=講談社現代新書)は、
「学問的な根拠が十分ではないが、現代社会における現象として提唱されるべき考え方」を
まとめた本。
最近だと「下流社会」がその最たる例でしょう。

こうした類の書物の多くが一過性の提案として終わってしまうのは、
それでどうすればよいのか、という視点からの展望が
ほとんど描かれないためではないでしょうか。

残念ながら、本書もその傾向から脱し切れておらず、「今一歩」という評価にとどまります。

一方、「インテリジェンス 武器なき戦争」(手嶋龍一・佐藤優=幻冬舎新書)は、
アメリカ同時多発テロをワシントンからレポートした元NHKワシントン支局長と、
外交官としてロシア事情に精通しながら、鈴木宗男問題に絡めて事実上
外務省から抹消された刑事被告人(彼は僕の愛読紙"SANKEI EXPRESS"にも
週一回の連載をもっています)による鼎談の形式を取った外交技術のイントロダクション。

権力の中枢がいかに巧妙な意志によってコントロールされているか、
その一端を垣間見ることのできる貴重な本です。

もちろん、大多数の市民にとって、彼らのいう「インテリジェンス」が日常生活に
どのように影響するのかはほとんど理解できませんし、もっと身近(あるいは即物的)な対応を
政治には求めがちです。

しかしながら、日本が独立した国家として存続しつづけるためにこういった活動が必要であり、
現に暗躍(決して悪い意味ではなく)している人がいるのだということを忘れてはならない、
そう感じました。

P.S.鈴木宗男といえば、昨年議員に返り咲いてから政府に対して質問趣意書を
   大量に提出していることが一部で有名ですが、あいかわらずのようですよ。

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