早熟の悲劇
かつて外国の文化研究者が、日本で活躍する10代の女性アイドルのステージや
書店に積み上げられた写真集の山を見て、
「なるほど日本が児童虐待に寛容な国であることがよく理解できた」
というような発言をしたことがあるそうですが、
結局未成年の誰それがテレビ局のアナウンサーと飲酒しただの
喫煙現場をスチルに押さえられただのでやれ謹慎だ、
やれ2度目だから引退だ、追放だ、となる現実を見せつけられると
大袈裟な比喩だと笑ってもいられません。
彼らや彼女たちにとって、ティーンエイジャーが人生のピークと
なってしまうのは不本意でもあり、ある種必然でもあります。
まわりにいるのは生身の人間の商品価値を巡ってうごめくオトナの群れ。
夢であり、あこがれであった世界に待ち受ける現実は、
大人になりきれない少年少女には少々刺激が強すぎるでしょう。
しかしその刺激にとまどったり、悩んだりする姿を見せることは
プロフェッショナルとして許されません。
知らず知らずのうちに蓄積されるストレス。
発散の仕方を一歩あやまれば、週刊誌がこぞってネタにするような
スキャンダルはいつだって起こりうるのです。
こうして今日もまた、芸能界という舞台からひとつの花が
歴史の彼方へと消えてゆきました……。
0 件のコメント:
コメントを投稿